インテル、中国の半導体「後工程」拠点に追加投資 現地子会社を457億円増資、中国重視をアピール

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注目すべきなのは、インテルが今回の追加投資を発表したタイミングだ。というのも、インテル製品のセキュリティーについて疑問を呈する声が、中国の関連業界から上がった直後のことだったからだ。

アメリカ政府は2022年に「CHIPS・科学法」を制定し、半導体メーカーの国内回帰を促している。写真は同法案に署名するバイデン大統領(アメリカ商務省のウェブサイトより)

サイバーセキュリティー分野の業界団体である中国網絡空間安全協会は10月16日、インテル製CPU(中央演算処理装置)の安全性の問題を列挙した文章をSNSの公式アカウントに投稿した。

同協会は、インテルのCPUについて「製品の信頼性が低く、ユーザーの改善要請を無視している」「バックドアを設けて、サイバー空間の安全を脅かしている」などと厳しく批判。同社に対するサイバーセキュリティー審査を実施するよう(中国政府に)提案した。

(訳注:中国網絡空間安全協会は、中国のサイバーセキュリティーを取り仕切る共産党中央網絡安全信息化委員会弁公室の指導下にある)

米中対立の影響は不可避

こうした動きの背景には、先端技術開発をめぐる近年の中国とアメリカの対立がある。中でも半導体の分野は、両国政府が激しくせめぎ合う“主戦場”になっている。

アメリカのバイデン政権は2022年、国内での半導体の製造や研究開発を支援する「CHIPS・科学法」を制定し、巨額の補助金支給を通じて半導体メーカーのアメリカ回帰を促した。一方、中国政府はIT関連の中核技術における(外国の技術に依存しない)自主独立をますます重視している。

本記事は「財新」の提供記事です。この連載の一覧はこちら

そんな中、アメリカの半導体メーカーの対中投資姿勢がどのように変化するかに、市場関係者の注目が集まっている。財新記者の取材に応じたインテル中国の関係者は、今後の見通しを次のように語った。

「アメリカ政府の政策の影響で、将来の対中投資や工場建設は難しくなる一方だろう。それでも、インテルは中国での研究開発に引き続き投資していく」

(財新記者:劉沛林)
※原文の配信は10月28日

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