マツダの「斬新なブランド戦略」2日間のフェス MAZDA FAN FESTAが目指す「好き」という価値

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さらには、ロードスター35周年記念モデルの世界発表と開発者やデザイナーによるトークショー、プロミュージシャンによるスペシャルステージなども開催。1日ではすべてを見きれないほどの充実ぶりだった。

なぜ、マツダはここまでMAZDA FAN FESTAに注力するのだろうか。

マツダ耐久レースにも自ら参戦した毛籠勝弘(もろ・まさひろ)社長は、記者団の囲み取材で、「(マツダを中心とした)コミュニティによって(マツダの志への)共感が広がれば」と答えた。

マツダ耐久レース決勝での走行後、記者団の囲み取材に答える、毛籠勝弘社長(筆者撮影)
マツダ耐久レース決勝での走行後、記者団の囲み取材に答える、毛籠勝弘社長(筆者撮影)

また「マツダファンを中心に、(モノやことに)触れ合って楽しく過ごすこと、そこにマツダ社員が直接対応することが大切」という経営者としての視点を示すと同時に、昨年の開催時に「多くのお客様が『楽しかった』『また帰ってきたい』という声を聞いて感激した」と個人としての感情も踏まえて、規模拡大を決めたことを明かした。

つまりMAZDA FAN FESTAは、単なるイベントではなく、経営戦略としてのブランド価値の再定義をマツダの社内外に示す役目があるのだ。

「ブランド体験推進本部」という新部署の役目

マツダは2023年11月の社内組織改革で、「ブランド体験推進本部」を新設しており、ここにマツダ・スピリット・レーシングをはじめとしたすべてのモータースポーツと、MAZDA FAN FESTAを含むブランド体験に関連する機能を集約した。

ブランド体験推進本部には、ここにはブランド体験ビジネス企画部、ファクトリーモータースポーツ推進部、ブランド体験創造部などがある。

単に販売台数を追い求めるのではなく、ブランド価値を深掘りし、マツダファンを増やしていくという経営戦略を採っているのだ。

関東マツダのブースで行われたエアガンを使った射的ゲーム(筆者撮影)
関東マツダのブースで行われたエアガンを使った射的ゲーム(筆者撮影)

他の日系自動車メーカー各社も、車種それぞれにひもづく、プレミアム、スポーティ、アウトドア、モータースポーツといった観点からブランド価値創造に着手している。だが、「社名=ブランド」という観点での試みは現時点で行われていない。

そのため各社のファンイベントは、スポーティブランドやモータースポーツに特化したものが多く、ブランド全体を対象としたカタチになっていないのが現状だ。

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