他方、自動車関係の輸出額は、増加を続けている。自動車の輸入は多くの年で輸出の1割未満しかないので、輸出超過額も増えている。
つまり、02年頃以降の輸出主導経済成長において、輸出が増えたのは自動車であり、電気機器ではなかった。電気機器では、日本はもはや輸出大国とは言えない状態なのだ。
つまり、生産の海外移転は、コンピュータや電気機器において顕著に進んだ現象である。ところで、この分野の生産海外シフトは、日本企業が現地に子会社を設立して現地工場を運営する方式の他に、OEMやEMSによっても行われている。正確な比率は分からないが、EMS方式がかなり増えていると推察される。
つまり、電気機械における生産の海外シフトは、自動車生産とはだいぶ違う形で進んでいる。自動車の場合は、日本企業が海外に現地工場を設置しているのに対して、電気機械の場合は、事業自体が外国の企業に移っているのだ。
成長するOEMとEMS
OEM(Original Equipment Manufacturer)とは、相手先のブランドで生産を請け負うメーカー、あるいは、そうした生産方式を指す。これに対してEMS(Electronics Manufacturing Service)は、電子機器の受託生産を行うメーカーや方式を指す。このうち、半導体の受託生産をファウンドリ・サービス(Foundry Service)と呼んでいる。