(第28回)雇用が減少したのは零細企業と超大企業

(第28回)雇用が減少したのは零細企業と超大企業

1990年代の中ごろから、製造業の縮小が始まった。これは、さまざまな企業レベルで一様に起こった現象ではなく、小規模企業を中心として生じたものだった。

まず、従業員数の変化を、従業員規模別に見よう(この状況は図には示していない)。「工業統計調査」によって、従業員4人以上の企業について見ると、96年から2010年の間に、製造業全体の従業員数は約3分の2に減少した。絶対数で言えば、1010万から773万へと237万人の減少である。

減少率は、企業規模によって大きな差があった。従業員数が500人以下では、規模が小さいほど従業員数の減少率が激しかった。より詳細に見ると、つぎのとおりだ。

「レベル5」の企業(従業員数20人未満の小規模企業)は、総従業員数が224万人から134万人へと、ほぼ半分に減少した。大田区や東大阪市における工場数が、ピークの80年代中ごろから現在までに半減したことをすでに見たが、それと同様のことが、90年代中ごろ以降の期間をとっても、全国的な規模で起こったのである。製造業全体の従業員数減の4割近くが、このレベルの企業で生じたことになる。

しかし、企業規模が大きくなると減少率は低くなり、従業員数300~500人の企業(資本金では、ほぼ3億~100億円の範囲に相当する)では、総従業員数は7・3%ほど減ったにすぎない。レベル5の企業とはかなり異なる様相だ。

企業規模が500人を超えると、規模が大きくなるにしたがって、減少率は緩やかに高まる。従業員数1000人以上の企業では、総従業員数の減少率は22・2%だ。率は小規模企業よりは低いが、1企業当たりの従業員数が多いので、減少総数は約30万人と、かなり大きい。

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