かつてこの連載で、コンピュータの輸出と輸入について、「1990年代までは輸出が輸入を上回っていたが、現在では逆転している」と述べた。電気機器の貿易パターンも、90年代までと現在とでは、かなり違う姿になっている。図は、88年と2010年における輸入と輸出の差額を示したものである(貿易統計では、電算機関係は「一般機械」に分類されており、「電気機器」に含まれていない。なお、図の半導体等電子部品から通信機までは、電気機器の内訳である)。
88年において、電気機器の輸出額は約8兆円であり、輸出総額額34兆円の約4分の1だった。これは、自動車の輸出額(6・25兆円)より多かった。そして、電気機器の輸出超過は6・75兆円で、貿易黒字総額10兆円の約7割を占めていた。
しかし、10年には、半導体関係を除くすべての電気機器で、輸出超過額は95年より縮小した。音響映像機器や通信機では、輸入が輸出を上回るようになった。
トピックボードAD
有料会員限定記事
政治・経済の人気記事