注意!「株価変動が激しい100社」ランキング 東京電力、ガンホーなどが上位に

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1位のSBIホールディングスは、8月11日につけた高値1785円から25日安値1375円まで、株価は23%の急落となった。

2位の東京電力、3位のガンホー・オンライン・エンターテイメントなどランキング上位銘柄の多くは、8月中旬から下旬にかけ20%台の下落に見舞われている。同期間の日経平均株価が、8月11日高値2万0946円から26日安値1万7714円まで15%の下落だったことと比較しても、ベータ値が高い銘柄の値下がり率は大きい。

ただ、8月上旬までの上昇相場では、こうした銘柄の株価は大きく上がっていた。相場が反発するタイミングをうまくつかまえれば、リターンを得やすい。

上昇トレンドのときはベータ値の高い銘柄がよいが、下落相場のときは、ベータ値の低い銘柄のほうがリスクを抑えられる可能性が高い。

食品などは値動き乏しい

不祥事で騒がれたが日本マクドナルドHDのベータ値は低い。写真はサラ・カサノバ社長(撮影:梅谷秀司)

ベータ値が低いのは医薬品、食品など、業績が景気に左右されにくい業種だ。日本マクドナルドホールディングスのベータ値は0.16、日清食品ホールディングスのベータ値は0.26。マクドナルドは一連の不祥事がメディアを騒がせているが、株価に関してはこの1年間2500~2700円の狭い範囲を往来し、値動きに乏しい。

ちなみに時価総額3000億円以上でベータ値がマイナスなのは、コスモス薬品1社のみ(マイナス0.03)。時価総額の条件を外した場合でも84銘柄と、全上場企業の2%程度しかない。

コスモス薬品は2015年5月期に最高益を更新したが、一般的にベータ値がマイナスの会社は不振企業が多い。相場好調のときも物色の対象外とされることが主因だ。マイナス幅が最も大きいクレアホールディングス(マイナス2.26)は慢性赤字企業。ベータ値がマイナスの銘柄に投資して逆行高を狙うのは難しいといえそうだ。

(週刊東洋経済2015年9月12日号「投資の視点」から転載)

26位以下を含む101社ランキングはこちらをご覧ください。

藤尾 明彦 東洋経済 記者

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ふじお あきひこ / Akihiko Fujio

『週刊東洋経済』、『会社四季報オンライン』、『会社四季報』等の編集を経て、現在『東洋経済オンライン』編集部。健康オタクでランニングが趣味。心身統一合気道初段。

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