イベントでは、衝突時にシートベルトが果たす役割やエアバッグ効果の体験、ドライビングシミュレータの体験、大型や牽引免許などで求められる「動体視力」の測定などの体験ができ、これらを通じて交通安全の啓発を行っている。
さらに指定自動車教習所は、幼児や児童、高校生や高齢者、一般運転者などに対する交通安全教育を行うなど地域の交通安全教育センターとしての役割も担う。75歳以上のドライバーで一定の違反歴のある方が運転免許を更新する際に必要な検査である「運転技能検査」も指定自動車教習所で受けられる。
また近年では、運転免許を取得しながら運転を日常的に行っていない、いわわるペーパードライバー向けの実技講習「ペーパードライバー講習」や、民間企業から社員などへの交通安全カリキュラム「企業向け研修」などを独自に行っている指定自動車教習所もある。指定自動車教習所とはいえ民間経営であるため、各所で工夫を凝らしたさまざまな取り組みを行い、公益性を担保しながら収益向上を画策している。
指導員不足が課題に
しかし、近年は運転の指導にあたる指導員が不足しているという。人手不足の問題はここにも暗い影を落としている。指定自動車教習所としても採用者の確保に勤しんでいるものの、現役指導員の高齢化が進む中、運転免許取得希望者が毎年、一定数いることや、前述した高齢ドライバー対象の運転技能検査業務などが重なっていることから、慢性的に人手が足りない。
こうした状況を踏まえ、「AI教習所株式会社」(福岡県大野城市)では、「AI」(人工知能)を活用した「AI教習システム」を開発。その技術を活用した「AIペーパードライバー講習」をカリキュラムとして業務に採り入れている。筆者は採用校のひとつ、「南福岡自動車学校」(福岡県大野城市)に出向き、AIを活用した「みきわめ教習」を体験してみた。
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