中国DJI系、「14万円」の先進運転支援システム投入 エントリークラスのEVにまで搭載拡大を狙う

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DJIオートモーティブは民生用ドローン大手のDJIを母体に発足。低コストで実用的な自動運転システムの開発に力を入れる(写真は同社ウェブサイトより)

自動車の自動運転システムの開発を手がける中国の大疆車載(DJIオートモーティブ)は、完成車メーカー向けの販売価格が約7000元(約14万4624円)というローコストの先進運転支援システム(ADAS)を投入する。同社を率いる瀋劭劼(しんしょうかつ)氏が、3月17日に開催されたEV(電気自動車)関連のフォーラムで明らかにした。

DJIオートモーティブは、中国の民生用ドローン大手の大疆創新科技(DJI)の社内プロジェクトとして2016年に発足。現在はDJIから独立したADAS関連製品のサプライヤーとして事業を展開している。

今回開発したシステムは、7台のカメラと演算速度が100TOPSのクアルコム製プロセッサー1基を中心に構成されている。レーザー光を用いた3次元センサーであるLiDAR(ライダー)やミリ波レーダーなどを省き、高精度地図にも対応しないことで、大幅なコストダウンを図った。

LiDARなしで最新機能実装

ADASは、運転操作の主体を人間のドライバーが担う「レベル2」の自動運転技術に相当する。DJIオートモーティブの新システムの売り物は「NOA(ナビゲーション・オン・オートパイロット)」と呼ばれる、目的地まで自動走行する過程で人間による運転操作の引き継ぎを大幅に減らす最新機能の実装だ。

都市部の一般道路でNOAを実現するには、市街地の複雑な交通環境に対応できるシステムが必要だ。そのため、LiDARなどの高性能センサーや高い演算能力を持つ(高価な)プロセッサーが不可欠というのが、これまでの常識だった。

興業証券は2023年7月に発表した調査レポートのなかで、中国の都市部でNOAを実現できるADASのコストについて、ハードウェアだけで2万5000~3万元(約52万~62万円)と試算している。

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