「褒める・叱る」子どもの未来を育むバランスの妙 子どもにとって最もよくないこと・辛いことは
それよりも、発達による個人差はその子の個性の一つだと捉え、できないことを無理やり頑張らせて子どもを苦しめるより、その子が楽しいと思うこと・できることをどんどん伸ばしてあげていく方が、その子の能力の発掘につながることもあります。
子どもが今できなくても、親は焦らないことです。
この子はダメな子だなどと思い込まずに、「この子の脳は今、発達の途中だ。伸びている最中なんだ」と信じて見守ってあげてください。
そして子どもの様子を見ながら、その子が挑戦しやすいような工夫や、学ぶことが面白いと思って乗ってくるような声かけなどを心がけましょう。
愛情あってこそ叱る効果がある
私は、子どもが十分な思考力を持つまでは、基本的にはあまり細かく「ダメ」と言わない方がいいと考えています。
行動を止められたり、禁止されたりすることが増えれば増えるほど子どもは萎縮してしまいますから、子どもが小さいうちは、できるだけ自由に行動させることが大切です。
では、幼児期はまったく叱らない方がいいのかと言えば、そうではありません。
やはり人としてやってはいけないことに関してはきちんと叱る必要があります。
たとえば、命に関わるようなことや危険なことをした時、人に危害を加えた時など、やっていいこととやっていけないことを教えるために、周りの大人はしっかり叱らなければいけません。
しかし、幼児期には「自分は親から愛されている」という実感を子どもに持たせることがもっとも重要です。普段から自分が親から愛されているという実感を持っている子どもは、親から叱られた時にも自分が悪かったことを素直に認められます。
しかし、親に叱られてばかりいる子どもは「お母さん(お父さん)は、きっと自分のことが嫌いだから叱っているんだ」と感じてしまうことがあります。そして叱られても、「親は自分のことを思って叱っている」という気持ちにはなれず、ただただ不快で、苦しい思いをするだけになってしまうのです。
やはり子どもの教育においては、あくまでも親の愛情を与えることを優先すべきだということです。
特に、周囲の目を気にして、あるいは周りに合わせるために子どもを叱るのはよくありません。
よく見られるのが、子どもの個性が大事などと言いながら、周りに合わせた行動ができない子どもを叱る親です。
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