急成長するキヤノンのインド事業--キヤノン・インディア小西賢作社長に聞く

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--赴任してインド人組織をまとめていくうえで、最初に戸惑いを覚えたことは?

私自身は、香港、シンガポール、欧米での経験がありましたので、特に難しくは感じませんでした。インド特有の仕組み、法律のほうが問題です。

--小西さんは、海外駐在は合計何年くらいなのですか?

もう23年になります。いちばん長いのはアメリカで6年半、オーストラリアにも。アジアシリーズは合計10年、香港、シンガポール、今いるインドは5年になります。

--23年、長いですね。インドも5年ですか。ここグルガオンも、ゲストハウスや飲食店が出来て5年でだいぶ便利になりましたね。

ここ最近はデリーよりグルガオンのほうが便利になったくらいですね。ただ、日本人もまだ4000人ですからね。まだまだです。気候条件とか病気、たとえばデング熱とか、やっぱり他の国と比べると簡単ではないですよね。ただ、日本人は内向きになってひ弱になってますね。しみじみ思いますねえ。

--これから進出する企業に何かアドバイスがあればお願いします。

インドという国は、ポテンシャルは大きいんですが、重層的な市場なので、絞ったり、場所を限定したり、よくリサーチして、腰を据えて、いろんなことを考えないと難しいと思います。会社や事業規模にもよりますが、絞り込んで入ったほうが、やりやすいでしょう。

ただ、南のほうにいくと天気もよく暖かいし、土地の生産性はあると思います。インドという国は、若い人を食わせていく余力は持っているといえます。そういう意味ではインドは恵まれた場所でもあると思います。

小西賢作 こにし・けんさく
キヤノン・インディア社長兼CEO。キヤノン入社後、アメリカ法人に6年年、オーストラリア法人に6年半、香港、シンガポール、インドなどアジアには10年赴任、通算23年に及ぶ海外駐在でキヤノンのグローバル戦略を現場で支える。

須貝信一 すがい・しんいち
1973年生まれ。法政大学英文科卒業。外資系IT企業、インド関連コンサルティング会社にて取締役として事業の立ち上げ等を経て、現在はネクストマーケット・リサーチ代表取締役。中小企業診断士。

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