急成長するキヤノンのインド事業--キヤノン・インディア小西賢作社長に聞く
これがかなりのスピードで変化してきていると思います。やはりITで発展しているというだけあって、欧米系企業や先進企業では事業用複写機などを先進国のように使う。一方でホームプリンタはまだまだですね。
--各チャネルで販売網を拡大していますが、従業員数は現在、何人ですか?
ソフト開発で150人、販売スタッフが850人、合計1000人です。日本人は10人になりました。大部分をインド人に任せています。
--インド人スタッフをどのように見ていますか?
まず彼らは、非常にポテンシャルが高いです。一方、確かに人の話を聞く姿勢がなかったりもします。当社の平均年齢は32~33歳ですが、若いということもあって、社会的教養とか礼儀をわきまえていなかったりすることはあります。また中間管理職が不足しているということはあると思います。
若いということもあってアグレッシブに吸収しようとする意志は強い。ただし、「チームを組成して成果を上げる」とか、「人の話を聞く」などということは苦手な人が多いです。若さ、つまり「経験不足」から来ている問題も多く、年齢が上がって経験を積むにつれて改善されていくことも多いです。
--なるほど、インド人特有というよりも、年齢的な要因からくる組織の特性もあるということですね。
道路や公的な交通手段が整備されていないなどの社会的問題によって、朝遅刻してきたりすることがあります。これは確かに日本人的感覚からはズレるんですが、時間が解決していく問題だと考えています。15年くらい前の中国も、今から見れば考えられないくらい混乱していましたし、きっとインドもよくなっていくでしょう。
彼らインド人は大きな声でたくさんしゃべるので日本人は圧倒されてしまうことがありますが、実はよくよく付き合ってみる情に篤い。家族を大事にする。日本人としてシンパシーを感じる部分もたくさんあります。違いばかりを見ていると、やっぱり違うねという話になってしまう。似ているところもたくさんあるというとらえ方が大事かもしれません。