彰さんはIT関連の自営業を営んでいる。40歳のときに開業するまでは会社員をしており、結婚願望はずっとあったと振り返る。仲の良かった両親は2018年と2019年に相次いで他界している。
「好きな人と一緒に暮らせたらいいなという気持ちです。平凡な望みですけどね」
出会いのきっかけは国際交流サイト
30代後半のときにはボランティア活動で知り合った大学生と交際した。彰さんは結婚を望んだが、看護師を目指して勉強に励んでいた相手との気持ちは一致しなかったという。世話焼きだけど強引なことはしない彰さん。その頃から年下女性に頼られる傾向があったのかもしれない。
「独立開業してからは、独身のままは嫌だなという気持ちが高まりました。妻と出会うまで婚活サイトで熱心に婚活をしていました」
相手の年齢や外見などにはこだわりはなく、人柄がよくて自分と相性のいい女性と一緒になりたいと思っていたと振り返る彰さん。しかし、一般的な婚活サイトとの相性はよくなかったようだ。20人以上と実際に会ったが、結婚を見据えた交際に至ることは一度もなかった。初対面の相手とも雑談はできるけれど口説いたり駆け引きしたりすることが苦手だから、と彰さんは自己分析する。
彰さんのようなタイプの独身者は男女ともに少なくない。コミュニケーション能力が低いわけではないが、押すべきときに押すことができないのだ。会話は弾む分だけ相手に「何を考えているのかわからない」と不明瞭な印象を与えてしまうこともある。
一方のアンナさんはどんな独身時代を送ってきたのだろうか。発言を促すと、意外なほどの勢いで話し始めた。
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