「カラマーゾフの兄弟」が東大生に人気が高い背景 現代人も考えさせられる、作品のメッセージ

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物語は、強欲で好色な成り上がりの地主、フョードル・カラマーゾフの3人の息子に焦点が当てられています。

乱暴者のドミートリイ、インテリで理知的なイヴァン、そして純粋で道徳的に正しいことを是とするアレクセイ。

父のフョードルは人を騙し、家族であっても平気で傷つけるような人物ですが、大悪党というわけではありません。ただのダメな父親のように描かれています。

そして3人の息子には、彼の血を継いでいる部分と、彼のことを反面教師にしたような部分があります。例えば、ドミートリイは父親に似ているけれども、小心者なところや、好きな女性には純粋なところがあります。

また、イヴァンは「神などいない」と語る無神論者ですが、そう言い切れない一面もあり、神を信じるアレクセイのことは好ましい人物であると感じています。

一方で神を心から信じているアレクセイは、イヴァンのことを「よくわからない」と思っています。

そして3人の兄弟以外にも、フョードルの私生児だと噂される使用人のスメルジャコフがいます。彼はイヴァンに心酔していました。

男女関係や財産相続など、さまざまな難題

そんな中、財産相続問題を話し合うために3兄弟が集結しましたが、うまくいかずに決裂してしまいます。

一方で、フョードルとドミートリイはグルーシェニカという女性を取り合い、イヴァンはドミートリイの婚約者であるカチェリーナに恋愛感情を抱くなど、男女問題が絡むことで、家族の関係はさらにややこしくなっていきます。

アレクセイはこの問題を解決するために奔走しますが、そんなある日、フョードルが自宅で殺されてしまいます。

状況証拠はドミートリイが犯人なのではないかと思わせるものばかりで、ドミートリイは裁判にかけられますが、自分はやっていないと主張します。はたして、フョードルは誰が殺したのでしょうか?

ここからは、ネタバレになってしまいますが、父であるフョードルを殺した犯人は、スメルジャコフでした。スメルジャコフは、イヴァンが「神はいないから、すべては許される」と言っていた言葉をそのまま受け取り、フョードルを殺してしまったのでした。

イヴァンは怒り、翌日の裁判で真実を話すよう迫りますが、スメルジャコフはその前に自殺してしまいました。

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