アキエム鉱山の現所有者のニューモントにとっても、開発権益の売却はメリットがあると見られている。同鉱山は現時点では露天掘りで鉱石を採掘しているが、2028年以降は(地下に坑道を建設して採掘する)坑内掘りに移行する計画だったからだ。
欧米の鉱山会社は坑内掘りを得意とせず、ニューモントは採掘コストの上昇を懸念していた。一方、紫金鉱業は中国の低品位の鉱山開発から事業を興した歴史があり、難易度の高いプロジェクトを進めるノウハウを持つ。今回の取引成立は、両社の利害が一致した結果と言えそうだ。
埋蔵量上乗せに期待
紫金鉱業が開示した資料によれば、アキエム鉱山の(経済的に採掘可能な)金の埋蔵量は約34.6トンと推定されている。それに加えて、坑内掘りで採掘できる可能性がある資源量が約83トンあり、埋蔵量の上乗せが期待できるとしている。
同社は買収の声明の中で、アキエム鉱山の(現時点の確認埋蔵量よりも)将来的な資源量増加の潜在力を重視していると強調した。
ガーナはアフリカ諸国の中では政情が安定しており、治安も良好だ。アキエム鉱山は(開発しやすい)平坦な地形で、ガーナ国内の主要都市や鉱石の積み出し港への道路網も整備されている。電力供給も十分かつ安定しており、紫金鉱業にとって有利な条件がそろっているという。
(財新記者:羅国平)
※原文の配信は、10月9日
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