「偶然の立ち話」が漫才の原点
「漫才か、漫才じゃないか」という言葉を最近よく見聞きします。
この言葉自体は昔からありましたが、2020年のM-1でマヂカルラブリーが披露したネタ「つり革」に対して、「あれは漫才じゃない」という声が上がり、SNSを中心に論争が巻き起こりました。僕は当時「あのネタは漫才に決まってるやろ」と、めちゃくちゃ戦いましたが……。
これ以降、漫才師が変わったネタを披露すると、「漫才か、漫才じゃないか」と論争が起こるようになっています。
まずはこの論争に答えを出すために、「漫才とは何か」という、僕なりの考えをまとめてみたいと思います。
漫才の基本は「偶然の立ち話」です。
ある2人がたまたま会ってしゃべり始める。片方が変なことを言って、もう片方が突っ込む。それがどんどん繰り返される。
もっというと、変なことを言うヤツ=ボケという「加害者」と、そのボケに振り回されつつ「なんでやねん」と問いただす常識人=ツッコミという「被害者」の2人がサンパチマイクの前で繰り広げる「おかしな立ち話」──ということです。


















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