なぜか「テレビの常連」な専門家が意識している事 「常連」と「一度きり」にはこんなにも差がある
順調に取材を終えることができたとき、番組制作者は好印象であったことを記します。
反対に「長く、わかりにくい」コメントばかりだったとします。あるいは何らかのトラブルが生じたとします。
こうした際には後に続く同僚のために、番組制作者は「要注意」など否定的な所感を追記するのです。
つまり好印象も悪印象も、番組制作者のあいだで引き継がれていくということです。「常連」の専門家と「一度きり」の専門家の差は、このリストの記載内容が大きく影響しているのです。
メディアのブラックリストに載らないために
専門家リストに悪く書かれる専門家には、いくつかの共通パターンがあります。
最も嫌われるのは、「どの発言を使うのか放送前に確認したい」と強く要求してくる専門家です。「事前に確認したい」と言われても、番組制作者が対応することは実務的にも社内ルールからも不可能です。
ニュース番組であれば、放送直前まで編集作業をしています。「放送1秒前」という直前に、映像が完成することも日常茶飯事です。放送前に制作者同士で「本当に間に合うのだろうな」と怒声が飛び交うことも珍しくありません。
「放送前に見せてほしい」と言われても、業務上対応できないのです。
事前確認が不可能な、もうひとつの理由は「報道としてのルール」です。ニュース番組では放送前に取材相手に映像を見せることは、固く禁じられて います。これは経営者や政治家といった取材対象者からの放送内容への介入を防ぐためです。
取材を受けた側としては「忙しいなか取材に協力したのだから、事前に確認する権利がある」と思うのは当然です。
しかし要求を受けた番組制作者としても、絶対に受け入れることができないのです。それゆえ、あまりに強硬に要求された際には「要注意人物」として申し送りされることになります。
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