三井不動産が「ネット通販」に意外と本気のワケ 「ららぽーと」など商業施設の開発が本業だが

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それは、商業施設の開発運営者として、テナント企業に「出店したい」と選んでもらえる魅力的な場所であり続けるためです。テナント企業側からすると、出店先選びは売り上げに大きく影響する要素であり、出店したいと思えるほどの商業施設は実は限られているのです。

だからこそ、三井不動産が顧客(=テナント企業)の集客力や売り上げの向上につながる施策を常に試行錯誤しており、そのひとつがららぽーとクローゼットというショールーミングの手法だったのです。

ららぽーとクローゼットが一般的なショールーミングと異なるのは、自分たち単体での売り上げを目指さない点です。ららぽーとクローゼットで試着した服をECサイトの&mallで購入してもらうことで、リアル店舗で得た体験をオンラインでもシームレスに引き継ぎ各テナントの売り上げにつなげています。

(写真:三井不動産提供)

他のリアル店舗にも良い効果

また、館内でのリアル店舗への送客にも成功しています。

例えば、ららぽーとクローゼットの無料サービス「PLUS MIRROR」では、ディスプレイを用いた診断で、顔写真を撮影して、AIによる顔タイプ診断やカラー診断のほか、館内のおすすめショップをレコメンドしてくれます。ららぽーとを訪れた人は、「PLUS MIRROR」で診断した後に、おすすめされたショップを巡るなど、新しい流れを生み出しました。

このように、テナント企業に選ばれる魅力的なサービスを展開しているという点において、三井不動産側から見るとららぽーとクローゼットはBtoCビジネスでありながらBtoBビジネスでもあるのです。

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