リアは、最近のトレンドでもある左右をつなげた横一文字のコンビランプと、その下のボリューム感あるフェンダーやバンパー、かなり上まで立ち上がったグレーのアンダーガード風処理で、クーペの豊かさとオフローダーのたくましさがうまく両立していると思った。
ボディカラーは2トーン5色、モノトーン4色で、後者が無彩色とブルーのシックなラインナップなのに対し、ブラックルーフとした前者はブラウン、レッド、オレンジなどの暖色系を多く揃えているところがおもしろい。
インテリアはまず、ブラックとボルドーのカラーコーディネートに目が行く。クーペSUVとしての「たくましさや豊かさを表現した」とのことだが、これまでのスズキ車にはあまり見られなかった配色だ。
ファブリックとレザー調のコンビとしたシート、高輝度シルバー塗装を採用したインパネ、ドアやセンターのアームレストに入れたステッチを含めて、このクラスではかなり高級感を目指した仕立てに映る。
ただし、インパネはブラック、ボルドー、シルバーに加えてピアノブラックも入れており、分割線も多く、ややビジーにも感じる。スイフトのインテリアにも言えることだが、もう少し整理が行き届けば落ち着きが出て、上質感が伝わりやすいだろう。
このクラスの日本車の中には、フロントに比べてリアのドアトリムの仕立てを簡素にする車種もあるが、フロンクスはリアのドアトリムにもボルドーを奢っており、造形も凝っていて、こだわりが感じられる。
これまでのスズキとはちょっと違う
このフロンクスはインドで、NEXA(ネクサ)というネットワークで販売される。NEXAは、インドにおけるスズキのプレミアムな販売ネットワークだ。
バレーノもモデルチェンジで質感を高めているようで、これまでのスズキとは違うマーケットを狙っていることがわかる。ダイナミックでクオリティにも配慮したフロンクスのデザインは、それにふさわしいと感じた。
つまり「安価で便利」という、これまでのスズキのキャラクターとはちょっと違い、付加価値でアピールする車種ということになる。ブランドの故郷である日本で、この立ち位置がどのように評価されるか、興味深い。
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら