4月に発表され、10月に発売となり、ようやく街中を走るようになった、マツダの新しいラージクラスSUV「CX-80」。発表から正式リリースまでに、半年ほど空いたこともあって、再びそのデザインをめぐって、さまざまな意見が飛び交っている。
その中には「マツダらしくない」「魂動デザインの流れが感じられない」という声もある。筆者も、これまでの魂動デザインとは少し違う印象は持っているものの、だからといってCX-80のエクステリアデザインが悪いとは思えない。
むしろ、これまで魂動デザインを特徴づけていた抑揚の強い線や面を抑えながら、穏やかな面で表情を出し、結果として味わい深いスタイリングに見せていて、なかなかの技だと評価している。
似たようなカーデザインを探せば、ボルボ「XC90」となるだろう。XC90もまた、大柄な3列シートSUVであり、ブランドのフラッグシップという点も共通する。
しかし、そのボリュームを威圧的に見せず、シンプルなラインを使いながら、面の抑揚に気を配ることで、趣のある造形としているのだ。XC90は、カーデザインの専門家から、高い評価を受けている。CX-80は、それに近い雰囲気を感じるのである。
海外向け「CX-70/CX-90」との関係性
マツダのラージクラスSUVには、すでに日本でも発売されている「CX-60」と、その海外向けである「CX-70」、今回のCX-80と海外版の「CX-90」が存在する。つまり2列シートと3列シートそれぞれに、ナローボディとワイドボディがあるというわけだ。
CX-80とCX-90は、ホイールベースは共通だ。しかし、CX-90は、前後のフェンダーが豊かに張り出すとともにリアオーバーハングが伸ばされ、傾斜の強いテールゲートを採用することもあって、ワゴンを思わせるゆったりしたフォルムになっている。
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