低年収では恋愛も結婚も「無理ゲー」な悲しい実態 婚姻数が増えなければ出生数は増えない

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昭和のように、お見合いや職場での結婚のお膳立てなき今、恋愛相手を自力で見つけ出さなければならないのですが、恋愛するのにも経済力が必要になり、出会いの場においても、男性は特に年収でスクリーニングされます。手取りが増えない状況にもかかわらず、そのスクリーニングされる最低年収条件はどんどん上昇し、もはや無理ゲーと諦める人も多いことでしょう。

第1子が生まれなければ第2子も第3子もない

当連載でも、子育て支援一辺倒の少子化対策はまったく出生増には役に立たないという話を繰り返しお伝えしていますが、誤解を怖れずに言うなら、児童手当がなくても子どもを産み育てられる上位層にだけ支援が届けられ、「金がないから結婚できない」という中間層の若者をますます諦婚へと導いているようなものだからです。

婚姻数が増えなければ出生数は増えません。第1子が生まれなければ第2子も第3子もありません。20代の若者が20代のうちに結婚できると信じられる経済環境にならない限り、それは晩婚化などならずに、ボリューム層の中間層4割+下位層3割の計7割の若者が結果的に生涯非婚という結果になるだけです。

生まれた子どもたちを支援することは必要ですし、それは否定しません。が、今本当に目を向けるべきなのは、将来その子どもたちを生み出すはずの「結婚願望のある」中間層20代の若者ではないでしょうか?

金がなくてもなんとかなるという「お気持ち論」など無用です。「お気持ち」では彼らは動けません。ここを見て見ぬふりを続ければ、必ず深刻な非婚社会が到来するでしょう。

荒川 和久 独身研究家、コラムニスト

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あらかわ かずひさ / Kazuhisa Arakawa

ソロ社会および独身男女の行動や消費を研究する独身生活者研究の第一人者として、テレビ・ラジオ・新聞・雑誌・Webメディアなどに多数出演。著書に『「居場所がない」人たち』(小学館新書)、『知らないとヤバい ソロ社会マーケティングの本質』(ぱる出版)、『「一人で生きる」が当たり前になる社会』(ディスカヴァー携書)(ディスカヴァー携書)、『結婚滅亡』(あさ出版)、『ソロエコノミーの襲来』(ワニブックスPLUS新書)、『超ソロ社会』(PHP新書)、がある。

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