低年収では恋愛も結婚も「無理ゲー」な悲しい実態 婚姻数が増えなければ出生数は増えない

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同じ下位3割層でも既婚男性は中間層とかわらない恋愛人数があるではないかと思うかもしれませんが、これは恋愛力や気合の問題ではありません。未婚男女の下位3割層の恋愛人数が極端に少なくなっている原因は、「恋愛経験なし」が圧倒的に多いからです。

最低1人以上付き合ったことにある者だけを対象とした場合は、男女とも既婚者の数字に近いものとなります。要は、経済的に下位の3割層がいかに「恋愛そのものができなくなったか」ということになります。

恋愛をするにも金が必要になってきている

もちろん、そもそも「恋愛に興味がない」という人もいます。しかし、この中には「本当は恋愛したいのにできない」という層も含まれています。そうした人たちが、「お金がなくて恋愛ができない」もしくは「日々の生活に精一杯で、とても恋愛などを考える余裕がない」のだとすれば由々しき問題でしょう。

結婚だけではなく、もはや、恋愛をするにも金が必要になってきているのです。

なお、グラフ中にある、3.68人の線は、未婚と既婚の恋愛人数の平均値です(参照→「未婚と既婚」に立ちはだかる「3.68人の壁」の正体)。

必ずしも、3.68人以上と恋愛しなければ結婚できないということではありませんし、既婚者の中にも「最初の恋愛相手=配偶者」という例もあります。とはいえ、統計上、既婚男女は、ほぼこの3.68人という恋愛経験をクリアしているわけで、ひとつの目安となるでしょう。

男性の場合は、下位3割層だけではなく、中間4割層ですら、3.68人に到達していないことになります。これが、20代中間層の婚姻数が減っている要因でもあります。結婚以前に、恋愛のステージにすら立てていないわけです。

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