漫画の進化系「ウェブトゥーン」市場を席巻する訳 スマホ時代に適応した"新しい形式"として注目

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現在の日本ウェブトゥーン業界としては、2024年現在スマッシュヒットと呼べるヒット作品が複数出始めました。

そのなかでも、ナンバーナイン社がLINEマンガ上で連載した『神血の救世主〜0.00000001%を引き当て最強へ〜』(江藤俊司、疾狼、3rdIve/Studio No.9)は、2024年1月には月間売り上げで1.2億円を超え、6月には英語版に翻訳されて海外展開するなど、今後の成長を期待されています。

2024年5月には、集英社のジャンプTOONもアプリローンチと同時に作品公開を開始。国産の大ヒット作品の不在が課題とされていた日本ウェブトゥーン勢も、今後の伸長が期待されます。

今後の展望としては、スマートフォンでの閲覧環境が進むにつれ、新世代のクリエイターがウェブトゥーン制作に参入することで、才能の総量が増加することが期待されています。しかし、現状国内では横読みマンガ市場も好調であり、トップクリエイターがウェブトゥーンに移行するかどうかはいまだ不透明です。

ウェブトゥーンは、スマートフォン時代に適応した新しいマンガ形式として注目を集めていますが、巨大な日本の横読みマンガ市場での定着にはまだ課題が残されています。今後の本当の意味での大ヒット作品の登場や、クリエイターの動向が、ウェブトゥーン業界の発展の鍵を握っていると言えるでしょう。

日本発プラットフォームの海外進出

このほか、ウェブトゥーン関連で注目したいところとしては、国内のプラットフォーム勢の海外進出の動きです。

出版社・CP勢はのぞき、純粋なプラットフォームとしては、BOOK☆WALKER、コミックシーモア、めちゃコミックなどのサービスが、それぞれ北米やアジアなどに進出しています。特に、BOOK☆WALKERは、もともと進出している現地法人と連携するなどして先行しているかたちですが、各社ともに日本国内の売り上げ規模に比べると、まだまだ小さく成長途上というところです。

どこが伸びるかということで注目なのが、めちゃコミです。

2024年6月にPEファンドのブラックストーンが運営会社の親会社であるインフォコムを買収し、今後大きな投資が図られると思います。アメリカの企業が買収してるわけですから、アメリカ進出には相当な力と資金が投下されると想像されます。

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