ANAのマレーシア線がJALと競合しない理由 13年ぶり再参入の狙いと課題を探る
JALのメインターゲットは日本人利用者
JALは、日本とマレーシア間を移動する観光客やビジネスパーソンに便利なスケジュールで「日本人の流動を念頭に置いたダイヤ設定にしている」(JAL広報部)。JALと近いダイヤを運航しているマレーシア航空も狙いは同じだろう。
ところが、ANAの運航スケジュールをみると、日本人にとって必ずしも便利なスケジュールには見えない。実際に筆者が利用した、クアラルンプール発・成田行きの初便となった9月2日のANA機内は7~8割が外国人で、日本人は2~3割しかいなかった。
ずばり言えば、ANAのメインターゲットはもともと日本人ではなく、外国人だ。狙うのは成田を経由してマレーシアと北米を移動する利用者と訪日旅行客である。ANAが新たに就航した成田-クアラルンプール線の「搭乗率目標は8割」(ロイ・ゲイANAクアラルンプール支店長)。就航時から外国人利用者をメインに路線開設するというのは、今までの日系航空会社にはない動きである。
たとえば、ANAの便でクアラルンプールから成田へ15時に到着した利用者は、ANAが成田から飛び立つニューヨーク、シカゴ、ロサンゼルス、サンフランシスコなどのアメリカ東海岸・西海岸行きの便と、2時間前後の待ち時間で乗り換えることが可能だ。逆にANAの北米便から成田に到着した際のクアラルンプール線へ乗り継ぎも、比較的スムーズな時間設定になっている。
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