エアアジアが中部で国内線に再参入する意味 16年春に国際線と異例の同時就航へ
“屈辱の撤退”から2年――。マレーシアを本拠とする東南アジア最大級のLCC(格安航空会社)、エアアジアが日本の国内線に再参入する態勢を整えた。
楽天やノエビアホールディングス、アルペンなど異色のパートナーを得て、昨年夏に始動した新生「エアアジア・ジャパン」。同社が中部国際空港(愛称「セントレア」、愛知県常滑市)を拠点空港として、2016年春に国内・国際線を同時に就航させる見通しとなったことが、東洋経済の取材で明らかになった。
「航空運送事業許可申請」の最終調整に
2013年夏にANAホールディングスとの合弁解消に伴い、日本国内から一時撤退していたエアアジア。新会社の発足当初は2015年中の就航を目標としていたが、関係各所との調整に時間を要したため、少し遅れてのテイクオフとなる。再参入に当たってはいくつかの拠点候補が検討されたようだが、最終的には名古屋市中心部から電車で約40分の場所にあるセントレアに決めた。
新生エアアジア・ジャパンは、本邦航空会社としての運航が認められるための必要な公的手続きである「航空運送事業許可申請」の最終調整に入っている。早ければ7月21日にも国土交通省航空局に申請するもようで、後は国交省の認可が下りるのを待つだけとなる。
国交省の受理・承認を前提として、セントレアで2016年夏ダイヤが始まる来年3月末から4月頭に、国内・国際線の両方を就航する計画を進めている。日本国内に拠点を置くLCCとしては、5社目の就航となる。このタイミングに合わせて、今年2月に運休したエアアジアグループの中長距離線ブランド「エアアジアX」の名古屋(セントレア)―クアラルンプール(マレーシア)線の復活も計画しているようだ。
エアアジア・ジャパンの本社登記地は現在、東京都港区になっているが、自治体の協力をはじめ地元との円滑な関係を築く狙いで、2016年春の就航までにセントレアのある愛知県常滑市に移す案が有力だ。