エアアジア、「捲土重来」に懸ける真の狙い 平成の"黒船"は真っ赤な機体でやってきた
本当の狙いは羽田の“開港”にあった――。
6月26日午前2時配信の東洋経済オンラインで報じたとおり、東南アジア最大級の格安航空会社(LCC)であるエアアジアが7月1日、楽天など4社とタッグを組んで日本市場に再参入することを正式発表した。東京・港区を本社とするエアアジア・ジャパンを設立しており、今後は2015年夏をメドに日本国内の空港を拠点として国内線、国際線の就航を目指していく。
新会社の資本金は70億円の予定。社長には全日本空輸(ANA)出身で、旧エアアジア・ジャパン(現バニラ・エア)の社長も務めていた小田切義憲氏が就任した。エアアジア本体の出資比率は49%(議決権ベースでは33%)で、楽天が18%(同18%)となったことも、併せて公表された。そのほかの大株主は、プライベートエクイティファンドのオクターヴ・ジャパン インフラストラクチャーファンド合同会社が19%(同28.2%)、ノエビアホールディングス9%(同13.4%)、アルペン5%(同7.4%)と、異色の企業が並ぶ格好となった。
日本の空をオープンにする
エアアジアはかつてANAホールディングス(HD)との合弁会社(当時の社名もエアアジア・ジャパン)を2011年8月に設立。成田国際空港を拠点として、12年8月に国内線を就航した。
ところが、軌道に乗る前に両社が対立。合弁関係が解消され、旧エアアジア・ジャパンはANAHDが完全子会社化して、社名をバニラ・エアに変え、2013年12月に再出発した経緯がある。
7月1日の会見では小田切社長のプレゼンに続き、エアアジアのトニー・フェルナンデスCEO(最高経営責任者)が登壇。「パートナーで大切な友人」との紹介を受けて、楽天の三木谷浩史会長兼社長が登場すると、報道陣、関係者を合わせて200人以上が詰めかけた会場はドッと沸いた。