エアアジア、「捲土重来」に懸ける真の狙い 平成の"黒船"は真っ赤な機体でやってきた
報道陣との主なやり取りは以下のとおり。
――新生エアアジア・ジャパンは、旧エアアジア・ジャパン(現バニラエア)と何が違うのか。
フェルナンデスCEO 人が違う。私たちと同じような考えを持った3人のすばらしい企業家(楽天の三木谷浩史会長兼社長、ノエビアホールディングスの大倉俊社長、アルペンの水野泰三社長)に参画してもらった。彼ら自身がすばらしいビジネスをつくった人たち。私たちは短い時間で意思決定ができる。
――新生エアアジア・ジャパンは登記上の本社を中部国際空港に置いているが、首都圏空港への展開は考えているか。
小田切社長 ハブ空港についての詰めは最終段階にあり、後日、正式に発表する。まずは東京以外で事業を展開して、幹線を張って収益体制をしっかりつくりたい。日本の各地方には、文化や歴史的な建造物、名産品や特産品があり、航空の潜在的な需要があると思っている。
一方、東京のマーケットの大きさやインバウンド(訪日外国人)需要を考えると、東京は外せない。発着枠の問題があり、現状は空きスロットがないが、(いずれは)羽田空港を拠点に就航したい。国土交通省の有識者会議で、羽田の発着枠を広げるという議論が始まっている。少しでも早くそうなることを望んでいる。
フェルナンデス 発着枠の問題は東京(羽田空港)に限定されているが、日本は東京がすべてではない。東京以外にもチャンスがある。
――楽天の役割は?
三木谷会長兼社長 LCC(格安航空会社)は情報産業。チケット販売だけでなく、さまざまなエンターテインメントや事前のオーダーなど、技術が生んだ新しいビジネスだ。既存の情報ネットワークでは難しかっただろう。予約をはじめ、いろいろなサービスで(エアアジア・ジャパンに)お手伝いできると思っている。
フェルナンデス 三木谷さん(楽天)は、いろんな事業に投資してきた。エアアジアグループで使えるプロダクトがたくさんあり、相乗効果がある。
就航は2015年の夏
――就航はいつか?当初の機体数は?
小田切 来年(2015年)夏を考えている。まずは2機体制で運航する。いずれも新造機を予定しており、2015年中に4機まで増やすつもりだ。
――日本の航空業界は規制が強く、首都圏空港では発着枠の制限があるが、どのように挑んでいくか。
フェルナンデス 日本(の航空行政)はオープンになってきている。小田切さんは当局と話をしているが、日本も変わってきている。エアアジアは機体もかっこいいが、ビジネスの強みはお値打ち価格にあり、「ナウ・エブリワン・キャン・フライ」というテーマは大事にしたい。
三木谷 日本政府が2020年の東京五輪開催に向けて、訪日外国人を増やすという戦略に対してかなり本気だと感じている。今までよりも前向きな姿勢を私個人としては感じている。