成果を出す人の「ノイズを遮断する」技術 GEはこうやって最強のリーダーを育成する

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

雑念に惑わされることなく内省すること、これは簡単なようで実は極めて難しいことです。したがって、この行動習慣を制度や仕組みとして組織の中に組み込んでいる会社、研修として徹底的に内省を求めるプログラムを持つ会社、上司が部下に対して自己の振り返りを習慣付けている会社は、他社との差別化要因を持つことになり、強い組織になることができるはずです。

「自分を見つめる」を実践してみよう

1日に1回でいいので、10分程度、心を落ち着かせて自分の行動を振り返る時間を持ってください。わざわざ「瞑想」の形にこだわる必要はありません。帰りの電車の中でも、お風呂の中で湯船につかりながらでもいいです。

1日の行動や出来事を振り返り、うまくいったことや改善すべきことを挙げ、そこからどのような教訓を学び取ることができたか考えてください(この「経験から、教訓を学び取る能力」こそが、社会人としての学習能力と言われるものです)。

また、自分の内面を知る「マインドフルなリーダー」に近づくには、周囲の人から「フィードバックをもらう」ことも効果的です。自分の言動について、改善すべきことを遠慮なく言ってもらうのです。最初のうちは皆、遠慮して当たり障りのないことを言うかもしれません。それでも、毎週1回ずつでいいので、フィードバックのリクエストを続けてみてください。もらったフィードバックが、役に立つだけではありません。「自らすすんで周囲の人にフィードバックをもらう」という習慣自体が、自分の行動と意思の力を高めてもくれます。

積極的にフィードバックを求めてくる人に対してどう思うでしょうか。「謙虚な人」「懐が深い人」「自分を高めようとしている人」……いずれにしても、悪い印象は持たないはずです。リーダーとして大切なのは、周りの人がその人に近づきやすい、何でも言いやすい人であるということ。フィードバックを周囲に求めることは、近寄りやすい人になれるという副次的な効果もあるのです。

気を散らすことが実に多く、ひとつの物事に集中し続けるのが難しい現代だからこそ、それができる人は、他者にはない「優れた特徴」を持つことができるようになります。

では、まずは心を落ち着けて、携帯電話の電源を切り、自分の内面に目を向けながら今日一日の反省をしてみましょう。

田口 力 TLCO代表

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

たぐち ちから / Chikara Taguchi

元GEクロトンビル・アジアパシフィック プログラム・マネジャー。上智大学グローバル教育センター非常勤講師。1983年早稲田大学卒業。政府系シンクタンク、IT 企業などを経て、2007年GE入社。世界最高のリーダー育成機関として知られる「クロトンビル」で、日本人として唯一リーダーシップ研修を任される。日本・アジア太平洋地域の経営幹部育成プログラム責任者として研修を企画・開発・実施。2014年に独立し、国内外の企業幹部に対して「リーダーシップ研修」を指導。2004年、一橋大学大学院商学研究科経営学修士コース修了(MBA)。著書に『次世代型リーダーの基準』『クロトンビル 世界最高のリーダーを育てる組織』(KADOKAWA)など。

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事