成果を出す人の「ノイズを遮断する」技術 GEはこうやって最強のリーダーを育成する
雑念に惑わされることなく内省すること、これは簡単なようで実は極めて難しいことです。したがって、この行動習慣を制度や仕組みとして組織の中に組み込んでいる会社、研修として徹底的に内省を求めるプログラムを持つ会社、上司が部下に対して自己の振り返りを習慣付けている会社は、他社との差別化要因を持つことになり、強い組織になることができるはずです。
「自分を見つめる」を実践してみよう
1日に1回でいいので、10分程度、心を落ち着かせて自分の行動を振り返る時間を持ってください。わざわざ「瞑想」の形にこだわる必要はありません。帰りの電車の中でも、お風呂の中で湯船につかりながらでもいいです。
1日の行動や出来事を振り返り、うまくいったことや改善すべきことを挙げ、そこからどのような教訓を学び取ることができたか考えてください(この「経験から、教訓を学び取る能力」こそが、社会人としての学習能力と言われるものです)。
また、自分の内面を知る「マインドフルなリーダー」に近づくには、周囲の人から「フィードバックをもらう」ことも効果的です。自分の言動について、改善すべきことを遠慮なく言ってもらうのです。最初のうちは皆、遠慮して当たり障りのないことを言うかもしれません。それでも、毎週1回ずつでいいので、フィードバックのリクエストを続けてみてください。もらったフィードバックが、役に立つだけではありません。「自らすすんで周囲の人にフィードバックをもらう」という習慣自体が、自分の行動と意思の力を高めてもくれます。
積極的にフィードバックを求めてくる人に対してどう思うでしょうか。「謙虚な人」「懐が深い人」「自分を高めようとしている人」……いずれにしても、悪い印象は持たないはずです。リーダーとして大切なのは、周りの人がその人に近づきやすい、何でも言いやすい人であるということ。フィードバックを周囲に求めることは、近寄りやすい人になれるという副次的な効果もあるのです。
気を散らすことが実に多く、ひとつの物事に集中し続けるのが難しい現代だからこそ、それができる人は、他者にはない「優れた特徴」を持つことができるようになります。
では、まずは心を落ち着けて、携帯電話の電源を切り、自分の内面に目を向けながら今日一日の反省をしてみましょう。
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