ゴルフのテレビ中継がつまらなくなった理由 価値観を変えたネットが新しい流れをつくる

✎ 1〜 ✎ 21 ✎ 22 ✎ 23 ✎ 最新
拡大
縮小

テレビが30年以上も前と同じようにゴルフの録画中継をするには、トーナメントの作り方が変わっていないということもある。詳細は後に譲るとして、テレビのことでいうと、通常の大会には協会などに「放映権」はない。主催者がテレビ局に中継をしてもらう。少なくとも制作費負担という面ではそうなっている。

テレビ放映するには設備なども含めて1試合1.5億~2億円かかるといわれている。これを主催者が負担する。なので、テレビ局はある意味、リスクを負わずにコンテンツを手に入れているという格好だ。

今季の、男女別試合視聴率は?

テレビ局として一番気になる今季の男女の試合の視聴率を、日本ゴルフトーナメント振興協会のデータから拾ってみた。新規大会を除き、8月までの関東での視聴率は、男子の土曜日は6試合で昨年よりアップが2、ダウンが4、日曜日は7試合でアップ2、ダウン5だった。

女子は土曜日12試合でアップ5、ダウン7、日曜日は21試合でアップ9、ダウン11、変化なし1。半分以上が昨年よりダウンしている。男女合わせて最高視聴率は7.4%、最低は2.5%だった。

それでも「スポーツは生でしょ」とう現場の声もあって、最近は優勝者が決まらない土曜日の生中継が増えてはいる。ただ、男子は生中継が土日合わせて4回あったが軒並みダウン、女子は6回あって各3回だった。

ライブだからといって、視聴率が取れるワケではないものの、「ゴルフを生中継で見せたい」と考える主催者も出てきている。そのときに活躍するのが、テレビ放送の立ち位置を変えたネットである。ネットで試合の模様を生中継して配信するのだ。

女子ツアーのTポイントレディスでは2013年からネット中継を始めた草分け的存在だ。担当したトーナメントプロデューサーで博報堂DYスポーツマーケティングの佐草伸吾氏に成り立ちを聞いた。

次ページネット中継を根付かせるために
関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT