日本人衝撃「米国での心臓手術」で見た驚きの光景 日本人ならそんなこと絶対にしない…!

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日本とアメリカ、どちらがいいのだろうか。ただひとつ言えるのは、私たち医師はお金のためだけに働いているわけではないということだ。私たちは医学という領域を学び深めることで、ひとりでも多くの人の命を救えればという気持ちで動いている。

給料以外にも、日本の医者とアメリカの医者にはいろいろと違いがある。そしてそれは、手術の現場についても言うことができる。いくつか例を紹介しよう。

アメリカでは、手術中にスタッフが踊りだすことがある

「アメリカと日本の手術室の違いは?」と聞かれたら、私はまずこう答えるだろう。「手術中に踊りだす人がいるかいないか」。

通常の手術は、メインとなる術者ひとりと、数人の助手とで行われる。日本では外科医が術者も助手も行うことが多いが、アメリカでは、助手は外科医ではなく、助手を専門とするフィジシャンアシスタント(PA)が行っている。PAは日本にはない職業で、手術の手伝いをしたり、医者の代わりに患者を診察したりと、ほぼ医者のような仕事をする重要な職種である。

アメリカで働き始めて初めてのクリスマスの日、緊急手術があった。1秒も無駄にできないシリアスな状況になってきたとき、スピーカーからマライア・キャリーの「All I Want For Christmas Is You」が流れてきた。

手術室で音楽が流れているのは、日本でもアメリカでもめずらしくない。でもこんな大変なときにこんな陽気な音楽なんて……と思っていると、横で助手をしていたPAが曲のサビに合わせて踊りだしたのだ。さらには、それを見て笑いながら手術器具を手で叩いてリズムをとる看護師。日本の手術室ではありえない光景なので、少し驚いたのを覚えている。

日本では、誰かが真剣になっているときは周りの人も真剣にならなくてはいけない雰囲気があると思う。それが手術中ならなおさらだ。その雰囲気がまったくないアメリカを、まさに感じた日であった。

ちなみにその後、ICU(集中治療室)に手術後の重症患者を運んでいくと、担当の看護師たちがみんなしてサンタのコスプレをしていた。メリークリスマスだ。

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