中国企業"道枝駿佑と長澤まさみ"CMで起用の狙い SNSでの効果はどれくらい?分析をしてみた
中国ブランドのCMでは、長澤まさみさんを起用したBYD(比亜迪)も話題になった。
運用型テレビCMサービスを展開するノバセル(東京・品川)がまとめた、2024年1~6月に放映されたテレビCMの中から、放映前後に視聴者がCMについて検索したかを指数化した「指名検索スコアランキング」で、BYDは3位に入った。
6月末に発売したセダンEV「海豹(シール)」の販売が好調に推移しており、BYDは理由としてテレビCMの効果を挙げている。
長澤まさみ起用の狙い
西田さんはBYDのCMについて、知名度と好感度が高い長澤さんの起用もさることながら、「ブランド認知だけではなく、EVの安全性を訴求したうえで、『ありかも』と消費者の選択肢に入るメッセージを発するコピーが非常に秀逸」と評価した。
ただ、BYDジャパンのSNSアカウントは長澤まさみさんの起用で特別反響があった形跡はなく、日本市場での新車投入を発表したタイミングのほうがフォロワーが伸びている。
10月上旬時点でXのフォロワーは約1万8000人、インスタグラムは1万人とパーフェクトダイアリーを下回る。
西田さんは「(化粧品のような)消耗品と自動車のような耐久財は、マーケ戦略が異なる」と前置きしたうえで、「SNSからマスまで立体的なマーケティングが求められる時代において、テレビCMとSNSを連動してより相乗効果を出していくことが、BYDの次の課題かもしれない」と指摘した。
もう1社、テレビCMが放映されるたびにSNSをざわつかせているのが、激安越境EC「Temu」だ。
Temuは特番の番組内でサービスの特徴を紹介する「インフォマーシャル」の手法を採用しており、大物タレントをアンバサダーに起用したパーフェクトダイアリー、BYDとは異なり、CMごとに違う芸人を起用している(TemuのCMに関する過去記事:激安EC「Temu」テレビ、YouTubeで広告増える謎 )。
西田さんは「サービス名を認知してもらうだけでなく、Amazonや楽天市場と何が違うのか特徴を明確にし、実際に使ってもらうことを狙っている」と説明した。
データ分析を手掛けるヴァリューズによると、一連のテレビCMが始まる前の2024年2月のTemuの利用者数は1270万人(推計値、月に1度以上利用した人を1と数える)だったが、6月には1960万人まで増えた。
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