「当社が手掛けている細幅ゴム入り織物の需要がなくなることはない。多品種・短納期に徹することで、生き残りは可能だ」
中村編織工業の中村修一社長はこう言い切る。大崎地区に立地する同社では、約30人の従業員が働いている。液状化で工場の建物が50センチメートルほど傾斜したが、機械を据え付けてあるエリアの被害が少なかったことが幸いし、1月5日に操業を再開した。
水道の復旧は5月までかかったが、その間、近隣の井戸から水をくんで台車に載せて運んだ。被害の大きかった亀井重繊維には機械などを置く作業スペースを提供し、操業再開を支援した。
かほく市大崎地区では多くの住宅や工場が液状化の被害に遭い、いまだに本格再建の見通しは立っていない。中村編織工業でも、液状化した地盤の調査はこれからで、建屋の修復方法はまだ決まっていない。それでも各社は復興に向けて少しずつ歩を進めている。
「さまざまな業種、企業がお互いに助け合うことで、産地は成り立っている」と中村修一社長は説明する。苦難の中でも関係者の士気は高い。それが復興の原動力となっていることは間違いない。
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