"施主"は子ども?工務店が新サービスで課題解決 「ダンボールハウスけんちくじむしょ」とは何か
お子さん相手とはいえ、お客様の要望をヒアリングして設計するプロセスは、実際の住宅設計と同じ。具体的にはどのように設計を進めていくのでしょうか?
ベースとなるのは3つのパターン
「お子さんには、壁面に開ける窓の位置やかたちを考えてもらうようにしています。すべてを1からデザインするのは難しいので、ベースとなる3つのパターンのなかから1つを選んでもらうんです。近未来的な『宇宙』パターン、西洋風のお家をイメージした『煙突』パターン、少し複雑なデザインに挑戦した『お城』パターンの3つを用意しています。
どのパターンを選ぶか、きょうだいで喧嘩になってしまうこともありますが。基本的には一度の打ち合わせでデザイン案を固めて、あとはデザインを図面に起こしてダンボールメーカーに発注する流れとしています。組み立ては親子で取り組んでもらうので、できるだけわかりやすいパーツ構成にしているのもこだわりです」(長坂)
お子さんの要望を汲み取るのも、ひと工夫必要になりそう。
「それが、思っている以上にお子さんたちは自分がこうしたい、というのをきちんと伝えてくれるんですよ。小さい子向けには考えるヒントになるように、図案サンプルを用意しています。図面をもとに絵でコミュニケーションしていることも大きいですが、自分ごととして、真剣に取り組んでくれるからこそとも思います。
どうしても構造上、描いてくれた絵の通りにはいかない部分は私の方で微調整を加えて確認していただいています。そのやり取りは実際の住宅における仕様調整と同様ですね」(長坂)