どうしたドイツ「経済低迷」が当分続く3つの必然 欧州景気に急ブレーキ、ECBは連続利下げへ

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2年連続のマイナス成長に陥りそうなドイツ。コロナ後の回復の弱さが主要先進国で際立つ。政治停滞が拍車をかける。

欧州の盟主に陰り(写真:Bloomberg)
※本記事は2024年10月6日6:00まで無料で全文をご覧いただけます。それ以降は有料会員限定となります。

年明け以降、緩やかな回復基調にあった欧州景気に変調の兆しが広がっている。

代表的な企業景況感であるユーロ圏の購買担当者指数(PMI)は、製造業とサービス業を合成した計数で、7カ月ぶりに好不況の分岐点である50を割り込んだ。指数の落ち込みは、前月にフランスのサービス業を押し上げたパリ五輪の特需が剥落した影響が大きいが、落ち込み後の計数は五輪開催前の水準を下回っており、特殊要因だけでは説明できない。

また、景気低迷が長引くドイツでは、製造業の悪化モメンタムが一段と加速するなか、これまで底堅さを保ってきたサービス業にも停滞感が広がっている。

ドイツは2年連続マイナス成長

ユーロ圏の実質国内総生産(GDP)は、2022年10~12月期以降、ほぼゼロ成長での停滞を続けた後、2024年に入ってからは成長ペースがわずかに加速している。だが、足元の月次指標の推移からは、7~9月期の景気に再びブレーキが掛かりそうだ。

特にドイツ経済は2四半期連続のマイナス成長に転落し、年間の成長率もマイナス成長にとどまる可能性が高まっている。ドイツの5大経済研究所は9月26日、プラス成長への復帰を見込んでいた2024年の成長率見通しを下方修正し、2年連続のマイナス成長を予測している。

新型コロナウイルスの感染拡大前の2019年10~12月期の水準と比較して、ドイツの実質GDPは10四半期の間にわずか0.2%しか伸びていない。アメリカが10%強、イタリアが5%弱、フランスが4%弱、日本が3%程度伸びており、主要先進国の中でもドイツ経済の弱さが際立っている。

ユーロ圏で最大の経済規模を誇り、昨年は日本を抜き、アメリカ、中国に次ぐ世界で3番目の経済大国となったドイツ経済に一体何が起きているのだろうか。

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