「糖尿病治療」の深い闇 桐山秀樹著
つまり、日本の糖尿病治療は世界の動きから取り残され、“ガラパゴス化”していると指摘。しかし、患者には薦めないにもかかわらず、医師自身やその家族が糖尿病になった場合、実はこっそりと糖質制限食を行なっていることが多いという実態には、何をかいわんやである。
もちろん、患者にも問題はある。糖尿大国・ニッポンといわれる所以は、著書自身も省みるように乱れた食生活や現代人特有の運動不足にある。日本人の白米信仰や、「ラーメン&チャーハンセット」などの「炭水化物オン炭水化物」の組み合わせは、誰しも心当たりがあるはずだ。そんな手軽で安易な生活の先には糖尿病が待ち構えている。江部医師の本の中で著書もハッと気付かされたという「さらば加糖の日々」というコピーは、現代人ならば肝に銘じておかなければならない。そう強く認識させられる、十分に威力のある一冊だ。
(フリーライター:小島知之=東洋経済HRオンライン)
東洋経済新報社 1470円
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