「ほぼ無理ゲー」難関大合格が高校生には酷な事情 試験内容と環境がひと昔に比べて大きく変化
……実は答えは➂。約62万人でした。少子化の時代ですから、大学進学者は減っていると思ったかもしれませんね。しかし実はここ10年で少し増加していたのです。
難易度についてはどうでしょうか。難関大学の2014年度と2024年度の偏差値を比べてみると、次の表のようになります。一部の大学・学部では偏差値が上がっていることがわかりますね。
共通テストになり難易度がアップ
大学入試の難化を説明する理由はいくつか考えられます。まず1つ目が、共通テストです。大学入試改革の一環でセンター試験が共通テストに変わりました。これがなかなかの曲者です。
一般的には、「知識」重視から「考える力」重視に変わったといわれますが、問題量が増大し、とにかく速く処理することが求められるようになりました。簡単な問題を速く解くだけならよいのですが、問題の難易度は変わりません。つまり、試験としての難易度は上がってしまったのです。受験生にとってはたまったものではありませんね。
たとえば、英語を見てみましょう。もともとセンター試験の英語は全部で4000語程度でしたが、共通テストになって6000語を超えてしまいました。
これは、従来の発音問題や文法問題がなくなり、長文読解問題に変わったことや長文1つあたりの語数が増えたことによるものです。数学でも、問題文が長くなり、これまで20ページ前後だった問題用紙は30ページ以上になりました。