A男さんの財産は、現預金3000万円と、A子さんとともに暮らした持ち家(評価額2000万円)でした。
A子さんは専業主婦だったこともあり、預金や不動産はすべて夫名義でした。
A子さんは「老後は贅沢をしなければ、なんとかなるだろう」と考えていたのです。
しかし、A男さんのように結婚せずとも自分の子であると認知をすれば、その子(非嫡出子)には正当な法定相続人として、相続の権利があります。
「相続人として浮上」したB太さんの要求は?
法定相続分は、配偶者が2分の1、子が2分の1です。
これは非嫡出子の場合も同様です。
父親の相続発生を知ったB太さんは、法定相続分通りの2分の1を要求してきました。
そのまま分ければ「現預金の半分1500万円と不動産の所有権の半分」ということになります。
A子さんは「老後が不安だから、B太さんの相続分を減らしてもらえないだろうか」と打診してみましたが、B太さんは譲りませんでした。
聞けばB太さんには子どもが3人いて、学費がかかる時期なのだそうです。子どもの頃は母子家庭で苦労したようで、その恨みもあったのかもしれません。
結局、不動産(持ち家)はA子さんが相続することになりましたが、評価額の半分の1000万円を加えて、B太さんに渡すことになりました。
つまり、A子さんは500万円と家を、B太さんは2500万円を相続することで決着がついたのです。
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