日本のEV市場が「失われた5年」になる強い懸念 欧州のEVシフトが減速する中で産業の変革を

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あわせて、アメリカではテスラについて、「新しい技術を先取りするアーリーアダプターの需要が一巡した」という見解が経済界に広まったり、フォードやGM(ゼネラル・モーターズ)がEVシフトの方針を修正し、アメリカで需要が高まっているハイブリッド車の重要性に注目し始めたりしている。

こうしたグローバルで変化が起こる中、日本では8月上旬に一部報道で「トヨタがサプライヤーに対してEV生産台数の中期目標の下方修正を知らせた」という情報が流れた。ただし、これについて、トヨタから正式なコメントやプレスリリースはない。

一方で、EV市場に対する新たなチャレンジャーとして注目されるのが、日本の大手家電メーカー、シャープだ。

ハイエース級サイズに「リビングルームの拡張空間」

シャープは、「SHARP Tech-day」(2024年9月17日〜18日、東京国際フォーラム)で、EVのコンセプトモデル「LDK+(エルディーケープラス)」を初公開した。

ボディサイズは「ハイエース級」だという「LDK+」の外観(写真:シャープ)
ボディサイズは「ハイエース級」だという「LDK+」の外観(写真:シャープ)

車体や電動機器を含むEVプラットフォームは、シャープの親会社である台湾の鴻海(ホンハイ)科技集団(Foxconn)がすでに公開している「Model C」がベース。ボディ形状は、スライドドア式のミニバンで、シャープ関係者によると寸法は「ハイエース級」だという。

開発コンセプトは「リビングルームの拡張空間」。LDK(リビング・ダイニング・キッチン)にプラス(拡張)という発想だ。

「LDK+」のインテリアは名前の通りリビングルームのよう(写真:シャープ)
「LDK+」のインテリアは名前の通りリビングルームのよう(写真:シャープ)

シャープは、今年5月14日に公表した「2023年度決算及び 中期経営方針」の中で、2025年から2027年を再成長期として位置付けた。Foxconnとのさらなる連携を深めることで、AI(人工知能)、次世代通信、そしてEVを将来事業の3本柱とする方針を打ち出している。

電気・IT業界では、ほかにもソニーとホンダが2020年後半を目指して次世代EVの量産準備を進めるなど、中・長期的な視野でEVに注力する姿勢を示しているところだ。

では、EV市場の“現状”は数字のうえでどうなっているのか。詳しく見ていこう。

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