伊那市と那須塩原市「EVバス」を導入した背景 小型電気バス「e-JEST」が目指す循環型社会

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伊那市に続く第2弾として栃木県那須塩原市においてもe-JESTが市内循環バスに加わった。「eゆ~バス」と名づけられたe-JESTは、CO2排出量実質ゼロを宣言する那須塩原市の意向に合致するとして導入された。

2024年9月1日、eゆ~バスの出発式がJR那須塩原駅の駅前広場で開催された。開催にあたり那須塩原市長である渡辺美知太郎さんは、「那須塩原市では現在、サステナブルビジョンを推進しています。その一環としてカーボンニュートラル、ネイチャーポジティブ、サーキュラーエコノミーなどさまざまな環境施策を取っています。今回、公共交通でも脱炭素を進めていきたいと考え市民の方々になじみのある“ゆ~バス”のEV化(= eゆ~バス)が実現しました。市民の皆様にはeゆ~バスの導入により脱炭素を身近に感じていただけるものと期待しています」と、市の取り組みと導入のきっかけ、そしてeゆ~バスへの期待を語った。

那須塩原市のEVバス導入について

栃木県那須塩原市の「eゆ~バス」
栃木県那須塩原市の「eゆ~バス」(筆者撮影)

では那須塩原市において、市内循環バスはどのような目的で活用されるのか。またEVバスの運用面はどう考えているのだろうか。市の担当者に一問一答形式で状況を伺った。

ーーバスを用いた「ゆ~バス」、乗用タクシーを用いた「ゆ~タク」はいつから、どんな目的で導入されたのか?

ゆ~バスは、2007(平成19)年10月から従来の市営バスに代わり運行を開始しました。一方、ゆ~タクは2013(平成25)年10月から導入された予約ワゴンバスを、2018(平成30)年10月に車両をワゴンバスからタクシー車両に変更して、ゆ~タクとして運行しています。いずれも市民の生活の足として利用することを目的に導入しています。

ーー「ゆ~バス」と「ゆ~タク」には、それぞれどんな特徴があるのか?

ゆ~バスは定時定路線で運行しています。ゆ~タクについては予約があった際に運行するスタイル(運行形態は区域運行で乗合バス)です。ゆ~バス、ゆ~タクはいずれも停留所から停留所の移動に利用できます。

ーー導入から現在まで「ゆ~バス」利用者数の推移は?

導入から利用者は増加傾向にありましたが、新型コロナウイルス感染症の影響により利用者数は一時低迷しました。2023(令和5)年度には、利用者数がコロナ禍以前の9割程度まで回復しており、それを踏まえると2024(令和6)年度はコロナ禍以前と同等の利用者数になると想定しています。

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