12年ぶり復権の野田元首相、政権交代に必要なもの 勝負のポイントは来年1月からの通常国会
野田氏の日課は早朝の駅立ちから始まる。最新の問題についてコメントを記したチラシを配る。
有権者に接している野田氏の言葉には力がある。銃撃で死去した安倍元首相に対する追悼演説は、与野党の議員をうならせた。一方で、ユーモアも忘れない。小泉進次郎元環境相が4代目の政治家であることに触れて「ルパンだって3世まで」と自民党の世襲議員をチクリと批判する。
野田立憲が自民党と向き合うスケジュールは以下のとおりだ。
自民党が9月27日に新総裁を選出。石破茂元幹事長、小泉元環境相、高市早苗・経済安保相のいずれかが選ばれる可能性が大きい。10月1日召集の臨時国会で新首相が選出された後、組閣を済ませ、所信表明演説、衆参両院での代表質問などを経て衆院が解散され、総選挙になだれ込む。
この総選挙こそ、野田立憲の最初で最大の試練だ。まず、党組織をまとめることが不可欠。民主党以来、政策や党運営をめぐって内部対立が続き、有権者の信頼を失ってきた。
小沢氏とは「恩讐を超えた」協力体制
2021年に枝野氏に代わって代表に就いた泉氏は、2022年の参院選で敗北したが、岡田克也幹事長や大串博志選挙対策委員長らが泉体制を支え、地道に国政選挙の候補者を発掘。2024年4月の衆院3選挙区の補欠選挙では、立憲の公認候補が3勝するという成果を上げた。
12年前に消費増税をめぐって野田氏と全面対立した小沢氏は、今回の代表選で野田氏を支援。「恩讐を超えた」(野田氏)協力態勢ができた。理念や政策が異なっても、自民党との対決を重視して結束していく政治文化が定着すれば、立憲にとって政治的な成熟を示すことになる。
野党同士の連携も課題だ。国民民主党は、同じ民主党系の仲間でもあり、選挙での棲み分けは難しくない。連合も立憲と国民の一体化を望んでいる。右の日本維新の会、左の共産党との連携は難題だが、自民党に対抗する候補者の一本化という大義名分の下で結集することは可能だ。
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