12年ぶり復権の野田元首相、政権交代に必要なもの 勝負のポイントは来年1月からの通常国会

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①裏金問題の真相究明や処分が不十分、②再発防止策である政治資金規正法の改正が生ぬるい、③自民党の小泉進次郎候補らが打ち出した解雇規制の緩和などは大企業優遇の弱者切り捨て政策、といった指摘では4人とも声をそろえた。いわば、総選挙の前哨戦の様相を見せた。

9月23日に行われた代表選投開票では、衆参の国会議員と立候補予定者、地方議員、党員・サポーターによる第1回投票で野田氏267ポイント、枝野氏206ポイント、泉氏143ポイント、吉田氏122ポイントだった。

どの候補も過半数に届かなかったことから、上位の野田氏、枝野氏による国会議員中心の決選投票が開かれ、野田氏232ポイント、枝野氏180ポイントを獲得し、野田氏に決まった。野田代表はただちに幹事長や政調会長などの役員人事に着手する。

「政権交代の好機」と腰を上げた野田氏

野田氏は1957年生まれ。早稲田大学を卒業後、松下政経塾で学び、千葉県議を経て1993年に日本新党から衆院初当選。1996年の衆院選では新進党で立候補したが落選した。2000年に民主党で議席を取り戻して以来、連続当選。2009年に誕生した民主党政権下で財務副大臣、財務相を経て首相に就いた。

2012年、当時の野党・自民党の谷垣禎一総裁、公明党の山口那津男代表と消費税を5%から10%に引き上げて社会保障の財源とする「3党合意」をまとめ上げた。

だが、民主党内では小沢一郎元代表のグループが反対。自民党は総裁が安倍晋三元首相に交代し、野田政権との対決姿勢を強めた。野田氏は衆院の解散・総選挙に追い込まれ、民主党は惨敗。自民党が圧勝して第2次安倍政権が発足した。民主党はその後、混迷を続け、民進党、希望の党などを経て、立憲民主党としてようやく自民党に対抗できる態勢を整えた。

2023年秋には自民党の裏金事件が発覚。自民党による真相解明は進まず、安倍派を中心とした関係議員は「秘書に任せていた」などと繰り返し、責任を回避した。

再発防止策としての政治資金規正法改正も不十分で、岸田文雄首相(自民党総裁)に対する世論の批判は強まった。事態を打開できない岸田首相は自民党総裁選への出馬を断念、退陣に追い込まれた。

逆風にさらされた自民党を尻目に「政権交代の好機」と見て腰を上げたのが野田氏だった。

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