自民党の新総裁が選出される。ただ、党内ガバナンスが実質的に崩壊した中で政権運営は難航必至だ。
9月23日の立憲民主党代表選挙に続き、27日には自民党総裁選挙が行われる。本稿は両選挙の前段階で執筆しているが、日本政治の転換期ともいうべき時期に行われた与野党党首選挙を経て、これから何が課題となるかを展望することには、大きな意味があるだろう。長期的な視座で今後の政治の行方を論じてみたい。
党首選のさなか、自民党では「刷新感」が唱えられ、立憲民主党では「世代交代」が一部から主張された。問題は何を刷新し、いかなる世代の声が出てくるかということだ。立憲民主党は、野党である以上、与党として首相になりうる代表をどう選ぶかが何よりも重要だ。自民党が弱りつつある今、「世代交代」よりは、首相としての「適格性」が決定的に重要だ。「世代交代」とは、万年与党の党首に求められる対応なのだ。
自民党の場合は、何を「刷新」するのかが明確でないまま、「改革」や「刷新」が唱えられすぎた。通常は、それまでの政権運営の反省に立って「刷新」を唱えるはずだが、どの候補も岸田文雄政権を批判するわけでもなく、与党に復帰した2012年にさかのぼって何が課題だったかを明確にしていない。岸田政権以前を継承することが前提の「刷新」だとすれば、実質的には首相・党総裁が交代する以上の意味を持たないのだ。
総裁選では政治資金問題に踏み込めず
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