なぜ岸田政権は行き詰まったのか。国民が納得する政権運営に向けて総裁選では原因に向き合うべきだ。
9月27日に投開票が行われる自民党の総裁選挙は、派閥単位での運動がしにくく、縛りが緩んで大勢の候補者が出るという予想どおりの展開になっている。
過去の例では、新たな総裁が選ばれれば、刷新感から自民党への好感度が上がり、選挙も戦いやすくなることが多かった。岸田文雄氏が選ばれた3年前の総裁選がまさにそのような展開だった。それゆえ自民党議員どころか連立相手の公明党まで、今回の総裁選を待ち望んでいたのである。
ところが、政治資金問題を契機に一気に深刻化した自民党への嫌悪感は根深く、これまでのような展開になるかどうかは予断を許さない。金権選挙は論外だとしても、派閥復活とみられるような動きや、長老が裏で若手を操っている姿が見えるだけで、自民党のイメージは打撃を受けるはずである。
そこで、刷新感があって信頼できる自民党総裁は誰かという問題だけではなく、どのような総裁選になるのかが焦点となる。
政治資金問題でも論戦交わすべき
自民党総裁選で、まず政策面に関心が集まるのは当然だ。経済政策の基調はもちろん、社会保障や外交・安全保障への取り組み、あるいは人口減少や気候変動、災害対策など直面する問題への基本姿勢が問いただされ、候補者間で論戦が展開するのが望ましい。
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