まだ構図が見えない自民党総裁選。そもそも総裁選にはどんな意味があり、今回は何を論じる場なのか。
自民党総裁選挙の夏である。岸田文雄首相の党総裁任期満了を9月末に控え、誰がよいといった話は断続的に出てくる。ただ、現職の去就も含め、構図が固まっていないこともあって、まだ選挙戦は本格化していない。そこで、いずれ話題となるはずの誰が選ばれるのかという話は脇に置き、自民党総裁選の意味について考えておきたい。
政権を揺るがす選挙が多すぎ、政権が不安定になりやすいのは、日本政治の問題の1つだといわれる。参議院通常選挙は3年に1回だとしても、衆議院はしばしば解散があって総選挙は2~3年に1回という頻度である。
そのうえ、実質的に首相を選ぶことが多い自民党総裁選が2年か3年(現在は3年)に1回あるため、それらを合わせると毎年のように政権の存立がかかる選挙が行われる。
しかも、衆議院選挙で有権者の信任を得た政権が、総裁選をきっかけに交代することもあるから、短命政権が続く原因として、自民党総裁選が批判されることも多い。そこで、自民党が総選挙に勝っている間は、総裁選を棚上げにすべきだという議論もされてきた。
総裁選後の衆議院総選挙が濃厚に
今回、噂はいろいろあったものの、結果として衆議院の解散がないまま総裁選を迎え、総裁選後の衆議院総選挙という形になりつつある。
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