名門校教師語る「国語が苦手だと全科目伸び悩む」 論理的な思考を身に付けるにはどうするか
そしてこれは、先ほどもお話ししたとおり、国語以外の科目にも影響します。
例えば、社会の授業で「徳川家康は、関東平野に位置する江戸に幕府を置いた」と先生が話したとします。
このとき、論理的な思考力がある人であれば、「なぜ、徳川家康は江戸に幕府を置いたのか」という問いを考えます。
この一文だけを読むと、「江戸が関東平野に位置していたから、家康は江戸に幕府を置いた」と記憶してしまいがちですが、「江戸が関東平野に位置していたから」ということは、「なぜ、徳川家康は江戸に幕府を置いたのか」の答えになるでしょうか? ちょっと違いますよね。
おそらくこのままでは、論理的につながっていないため、すぐ記憶からなくなってしまうことと思います。これでは、先ほどと同じミスをしてしまいますね。
というように、問いと答えが連続する中で、「徳川家康は、関東平野に位置する江戸に幕府を置いた」という一文が出来上がります。
背景にある「関東平野は農業生産性の高い肥沃な土地で、多くの人口を支えるのに適した土地だった」という知識を頭に入れることで、よりクリアに内容を理解することができるわけですね。
問いと答えを整理すると、記憶にも残りやすい
頭がいい人はなぜ理解力が高いのかというと、頭の中で論理的に補ったり、そのための背景知識を補完する能力が高いからです。
しっかりと論理的なつながりを意識して「問いと答え」を頭の中を整理できれば、記憶にも残りやすいわけです。
そして国語は、「問いと答え」で物事を整理する訓練を繰り返す科目です。国語のテストで、文章に線が引かれて、「なぜ主人公はこう思ったのか考えよ」「下線部とあるが、これはどうしてか? 30字以内で答えなさい」というような問題を解く機会があった人も多いと思いますが、これは「論理的なつながりを理解する能力」を高めるためのレッスンだったと考えることができます。
これらの能力が高まれば、社会や理科で教科書を読んでいても、英語や数学で先生の話を聞いていても、頭の中を整理することができるようになり、より理解力が高まるようになります。
いかがでしょうか? 今回は、国語の授業が目指す1つの理想系を皆さんにお伝えしました。ぜひ、日頃の会話や文章読解でも、「問いと答えの対応関係」を意識してもらえればと思います。
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