名門校教師語る「国語が苦手だと全科目伸び悩む」 論理的な思考を身に付けるにはどうするか

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おそらく「ゲームはとても面白い。そして、ゲームを買うためには、お金が必要だ。だから、お小遣いがほしい」と言いたいのだと思います。しかし、先ほどの一文では「ゲームを買うためには、お金が必要だ」という内容が抜けているので、論理的な整合性を欠いてしまっているのです。

論理的な文は、シンプルに言うと「問いと答えがしっかりと結び付いている文」だと言えます。

もう一度今回の文章を読んでみると、「Q なぜ、お小遣いがほしいのか?」という問いがあって、その問いの答えが「A ゲームはとても面白いものだから」となっています。これでは問いと答えの対応関係が破綻していますよね。

「Q1 なぜ、お小遣いがほしいのか?」という問いの答えを考えるのであれば、「A1 ゲームを買うためには、お金が必要だから」となるでしょう。

そして、「Q2 なぜ、ゲームを買いたいのか?」という問いがあったとしたら、その答えが、先ほどの「A2 ゲームはとても面白いものだから」となります。

つまり、なぜ「お小遣いがほしい。なぜなら、ゲームはとても面白いものだから」が論理的ではないのかを言うと、「Q1」に対する答えを、「Q2」に対する答えである「A2」でしてしまっているからなのです。

問いに対してうまく答えられていない

このように、「問いと答えがしっかりと結び付いているかどうか」を考えると、国語の成績が向上し、文章が上手になります。逆に、国語の成績が悪い生徒は、「問いに対してうまく答えられていない」状態に陥っていることが多いです。

もう1つ例を考えてみましょう。「Q なぜ、若いうちは勉強に時間を使ったほうがいいと言えるのか?」という問いがあったとしましょう。

この答えとして、「A いい大学・就職先に行くため」というのは回答になるでしょうか? 厳密に言うとこれも、論理的な整合性が欠けた答えになってしまっています。

「Q1 なぜ、若いうちは勉強に時間を使ったほうがいいのか?」
「A1 勉強することで、将来の自分の選択肢が増えるから」
「Q2 なぜ、勉強すると将来の自分の選択肢が増えると言えるのか?」
「A2 勉強することで、いい大学に合格できる確率が上がり、いい大学に行くといい就職先に行ける可能性が高くなるから」

というように、これも問いの間に、もう1つの問いが挟まっている状態なのです。それなのに一足飛びで答えを考えてしまっているため、論理的ではない思考になってしまっているのです。

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