「高齢者の交通事故」に目の問題が隠れている危険 視野障害を「自覚していない」人たちがマズい

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「例えば運転業務を行う企業のドライバーが事故を起こしたときに、ドライブレコーダーで検証することがあります。普通なら事故を起こさないような状況で事故が起きた場合、ドライバー自身の問題が疑われます。企業側が事故を起こしたドライバーに眼科の受診を促したところ、緑内障だったというケースもあります」

緑内障は視野の中心から欠けることは少なく、主に鼻側の上方もしくは下方の一部から徐々に欠けていき、やがて上下ともにかけていく。基本的に緑内障の進行はゆるやかなので、視野の中心が欠けるまでには長い年月がかかる。

「下方の視野が欠けているほうが、左右からの車や人、物にぶつかりやすく、事故につながりやすいようです。一方、上方の視野が欠けている人は、信号や道路標識などを見逃す危険性があります」(相原医師)

緑内障の人の転倒リスクは4倍以上

このように同じ緑内障でも、どの部分の視野が欠けているのかによって注意点はさまざまだ。自分がどの部分の視野が欠けているのかを自覚していれば、顔ごと視線を向けるなどの対策ができる。

なお、運転に限らず、下方の視野が欠けている場合は、歩行時につまずいたり、転んだりしやすくなるほか、下りの階段を踏み外すこともある。緑内障がある人はない人に比べて、“4倍以上転倒しやすい”という海外の報告もある。

こうしたことを知っておけば、転倒などのリスクを減らすことができるだろう。

現在の医学では緑内障は治療をしても、健康な状態に戻るわけではない。

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しかし、早期に診断を受ければ治療で症状の悪化を防げるほか、運転を含めて事故や転倒が起きないように気をつけて生活することができる。

「緑内障を含めた目の病気は40代から増えてくるので、40歳を過ぎたらぜひ眼科健診を受けてください。特に緑内障を見つけるのに不可欠なのが、カメラで眼底を撮影するなどして視神経の異常を調べる眼底検査です」(相原医師)

(関連記事:近視の人は要注意、若くても陥る「緑内障リスク」
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