「タイミー」上場後初の決算で株価大幅下落のナゼ 小川代表は競争激化を否定、見えてきた課題は

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複数回の稼働ボーナスやアプリのプッシュ通知といった稼働促進策や、可処分時間が長いワーカーをターゲットにしたテレビCMやデジタル広告を打った。「しっかりと人が集まり、稼働率が高いことが1番強い」(小川代表)と、高頻度で働くワーカーが増え、クライアントのリピート率も高い水準にあることが新興勢にない強みだ。マッチング率(募集人数に対する稼働人数)は86%となっている。

2つ目は、労務リスクへの対応だ。企業側が複数のスポットワークサービスに登録すると、ワーカー側も複数サービスに登録している可能性がある。企業側は労働者1人ひとりに対する労務管理が必要となり、作業が煩雑になってしまう。

この点、タイミーは求人募集や給与支給に関し、システム上に「ブロック機能」を搭載している。例えば、社会保険の加入要件を回避するため、1人のワーカーが1カ月に8万8000円以上同じ会社で働けないようになっている。競合が手数料を下げてもタイミーの牙城が揺るがないのは、1拠点1サービスが浸透していることが影響している。

成長を維持する2つのカギ

順調に成長しているタイミーだが、懸念がないわけではない。前述のアクティブアカウント当たりの流通総額が減少傾向にあるのだ。2024年5~7月は前年比でマイナス16.9%と2桁減に沈んだ。求人を出す事業所が増えている一方で、事業所当たりの利用額が減っている背景には、クライアントの業種構成の変化がある。

前2023年10月期の初めまでは、「2024年問題」を背景に物流を中心とした大型の求人案件の取引を拡大してきたが、それ以降は飲食、小売りの成長が強く、ホテルや美容室など小型の店舗も増えている。物流は1拠点当たりで100人規模のワーカーが必要なことも少なくないが、飲食、小売りや小型店舗は1拠点当たりのワーカーが少ない。

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