ガリレオは、天の川の正体だけでなく、地球を中心に天体が回る「天動説」を否定し、太陽を中心に天体が回る「地動説」を支持する証拠も発見しました。天体望遠鏡の発明により、地球は宇宙の中心ではないことが明らかになったのです。
18世紀、天王星の発見者であるハーシェルが、天の川の星々が円盤のように分布し、太陽もその一員であることを発見します。地球にとって特別な存在である太陽は、天の川銀河にある恒星の1つにすぎないことになりました。
ほんの100年ほど前までは、この天の川銀河が宇宙のすべてでした。しかし、20世紀、ハッブルが天の川銀河の外にある銀河を発見し、天の川銀河は数ある銀河の1つにすぎないことが暴かれました。
このようにして、天の川の正体を探る試みは、人類の宇宙観を大きく広げてきたのです。
銀河にも「ご近所づきあい」がある
天の川銀河には約2000億個の恒星があり、渦を巻くようにきれいに並んでいます。太陽系は天の川銀河の中心から外れたところにあります。
天の川銀河の大きさが首都圏くらいで、その中心が東京駅にあるとすると、太陽系の位置は、群馬・栃木・茨城の南部あたりになります。都心からやや離れたところというイメージですね。
天の川銀河から辺りを見渡してみると、宇宙にはたくさんの銀河があることがわかります。銀河と銀河がある程度近くにある場合、重力でつながりあって集団をつくるのです。
銀河同士で、ご近所づきあいのようなつながりがあるということです。
銀河の数が少ないものを「銀河群」、多いものを「銀河団」といいます。
天の川銀河は、50個以上の銀河が集まる「局所銀河群」という銀河群に所属しています。
ちなみに、局所銀河群のお隣には「おとめ座銀河団」があって、そこには3000個以上の銀河が集まっています。お隣さんのグループは、ずいぶんと大所帯ですね。
もっと遠く離れてみると、銀河群や銀河団が連なって「超銀河団」を形成していることがわかります。私たちの「局所銀河群」は、お隣の「おとめ座銀河団」と一緒に、「局所超銀河団」という超銀河団に所属しています。
この局所超銀河団は、その100倍大きな「ラニアケア超銀河団」に含まれています。
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