なお、スタジオMCはシーズン1のメンバーから一新し、人数も多すぎず、3人に絞られました。先の川島のほか、同じく芸人の長谷川忍(シソンヌ)、そしてタレントの指原莉乃が務めています。指原はプライム・ビデオの看板番組とも言える「バチェラー」のスタジオMCでもあり、そんな指原が「ラブ トランジット」を担当するということはプライム・ビデオの中で重要視されている番組として映ります。
シーズン1は7割が「星5つ」
昨年の夏に配信開始されたシーズン1から確かに評判は上々でした。Amazonのカスタマーレビューでは、評価したユーザーの71%から最高値の「星5つ」を獲得したほど。東京で生きる男女が過去の恋と新たな出会いの間で揺れ動く姿は、よくある恋リア番組のギラギラしたものとは異なり、哀愁さえ漂う味わい深さがありました。なかでも元恋人たちがかつて仲睦まじかった姿を表す写真や動画の記録を振り返る場面はエモさ最高潮。共感を誘う場面でした。
恋リアファンから支持を集めたことで続投されたシーズン2は、基本的な作りは大きく変えていないものの、新たな層を獲得することを狙ってか、“考察”を誘う編集が際立ったように思います。ただし、よりエンタメ化した演出で、より参加者のビジュアルを重視したことが鼻についた人も多かったようで、カスタマーレビューの評価は今のところシーズン1ほど上がっていません。最高値の「星5つ」と最低値の「星1つ」に評価が集まっています。
賛否両論を生んでいますが、これも人気番組が通る道。客観的に見れば、考察型という新しいスタイルの恋愛リア番組として評価できるものだと思います。もともとこの番組は、韓国の財閥系最大手企業CJ傘下にあるCJ ENM 系列の韓国コンテンツ配信サービス TVING オリジナルシリーズ「환승연애(乗り換え恋愛)」から生まれたものです。番組フォーマット権をAmazonが購入し、日本で製作されています。
CJグループは「I Can See Your Voice」というバラエティ番組をアメリカ4大ネットワークのFOXでヒットさせた実績もあり、これも推理を働かせるゲーム要素によってウケたものです。謎解き設定の「ラブ トランジット」はこの成功例から生まれたものだと推測できます。
韓国ではシーズン3まで続いています。復縁という複雑な恋愛と謎解きの相性の良さが伝わる日本版も定着化していくのではないでしょうか。恋リアファンでも復縁派でもなくても、引き込ませる力があります。
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