苦戦を強いられたシーズン1
シーズン1は世界240カ国で1億人以上が視聴したプライム・ビデオの「ロード・オブ・ザ・リング:力の指輪」(以下、「力の指輪」)。新規プライム会員獲得に最も貢献した作品でもあります。Amazonにとって大成功のオリジナルドラマシリーズとして位置づけられる一方で、多様性を配慮した配役に対して酷評も目立ちました。そんなレッテルが貼られても方向性は大きく変えず、ストーリーがやっと進み出した新作のシーズン2が8月29日から世界配信開始されたところです。
Amazon版「力の指輪」はJ. R. R.トールキンの原作をもとに、舞台設定はピーター・ジャクソン監督が手がけた映画シリーズより数千年前。トールキンファンなら説明いらずの「中つ国」という架空の世界の「第二紀」にあたります。物語のカギとなる「力の指輪」が鋳造された時代で、最強の悪党サウロンが「中つ国」に暗い影を落とす様子を描きます。
原作のネームバリューを使わない手はなく、そもそもAmazonは権利購入額だけで2億5000万ドル(約360億円)以上を費やしています。イギリスの調査会社Omdiaによると、計画する5シーズン合計の制作費は6億5000万ドル(約936億円)に上るとか。ドラマシリーズとしては破格の規模です。今や映像作品を手掛ける企業の中でAppleと並んで最も財力があるAmazonですから、作品のためにお金をかけることができるのは当然。ロングランで稼ぐことが見込める作品だからこそ制作投資したのだろうと思います。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら